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ネタバレ

『訳あり物件』を読んで

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 訳あり物件。  その言葉を聞いて、一番に思い浮かぶのは……やはりあれですよね。    題名を見てから、不穏な雰囲気を漂わせえる作品です。  ですが、この作品。  あらすじにはこうありました。  上京して直ぐ、駅近の角部屋を、異常に安い値段で契約した主人公。当然事情を尋ねる。すると、不動産屋はこう言った。 「ここでは人が死んだことは一度も有りません」  と。  ん?  つまり、訳あり物件だけど人は死んでいない?  では、他に問題があるのかと思いきや。  立地やご近所的にも特に問題はなし。でも、値段は安い。    どういうことなのかと思って、読み進めていくと。  なるほど、という結末でした。    この作品はSSコン「嘘」に応募している作品でもあります。  SSコン「嘘」は文字通り、嘘がテーマの物語。    でも、この『訳あり物件』という作品。  誰も嘘を言っている人はいないという。  それでいて、SSコン「嘘」に相応しい(ちょっとブラックな)ユーモアのある、おすすめできる短編でした。

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投稿日:2022年9月30日 21:22

最終更新日:2022年9月30日 21:22