読み始めたのは完全に偶然でした。 半妖やいわゆる神様と、現実のお仕事……たとえばお役所や資格のいる職種の組み合わせのお話。 お仕事ものの中でも、フィクションで行政書士いうなかなかレアなところをついてくるのも面白いですね。 タイトルは結構ラノベっぽくて、男性読者が多いであろうノベルアップに掲載するのにはとてもいいと思います。 しかしファンタジーによくあるモンスターが対象なら男性向け・少年向け一辺倒になるけど、妖や神様という和風で穏やかな存在なので女性にも受けそうです。 メディアワークス文庫などのライト文芸に近いでしょうか。 ちょいとだけ貧乏な青年と美少女な妹の二人暮らし。 慎ましやかな生活を一切苦にしない (読んでいる方も苦にならない)前向きな性格の青年。 しかし合間に挿入される過去回想やモノローグパートにほんとドキりとさせられ、深みが増します。 仕事も含めた日常との対比で印象が強く残りました。 浅草近辺が主な舞台で、その街並みの情景描写がすばらしく雰囲気が明確に伝わってきます。 この作風・描写力で時代物を書くとかなりの名作になるのでは? と思ってしまいます。 ライト文芸、もしくは一般文芸として出版されてもいいんじゃないかと、それくらいの期待がありました。