レビュアー

確かな知識に裏打ちされた重厚な現代ファンダジー

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 タイトルを見て、硬めの歴史小説か、文学的な作品をイメージするかもしれません。    しかし、最初の数話を読んでみると、非常に読みやすく、かつ確かな文章力があるため、作品世界にすんなりと入り込めることに気づきます。  文章力だけではなく、作品のテーマである刀剣に関する知識、戦国時代に関する歴史的知識、一見テーマとは無関係な航海士に関する知識などなど……作者の博識ぶりにも非常に関心させられます。それらが作品の下支えとなって、ストーリーに展開に無理なく、違和感なく、巧みに組み込まれているのです。  なので、タイトルを読んで興味を持つような重いテーマの小説が好きな人はもちろん、小説投稿サイトで作品を読み漁るような好奇心が強い人ほど作品に没入しやすいです。    またストーリー展開だけでなく、各登場人物の心情、バックボーンも丁寧に作り込まれています。  どの人物も、どんな職業についていて、どんな生活をこれまでしてきたかなど、現代日本のどこかで生活しているであろう情景をありありと想像出来るようになっています。そのため、主人公達はもちろん、敵役となる人物にも感情移入がしやすいです。    物語は中盤以降、大きなファンタジー要素が入り込んでいきます。  ここには賛否両論あるかもしれませんが、武功の刀が生み出された遥かな過去からの因縁と、現代の縁が複雑に絡み合う展開は唸らされるものがあります。  全ての因果が結実する終盤の展開まで、是非一気に読み勧めてほしいです。  第三部以降の展開も楽しみにしています。

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投稿日:2021年5月4日 00:39

最終更新日:2021年5月4日 00:42