今どきの高校生な主人公が体験する恐怖。
偶然が偶然を呼び、いつの間にか張られた伏線・恐怖の糸に絡まれてゆく……。
拝読していて主人公に感情移入していただけに、彼を襲う恐怖に驚かされるところと歯痒さを覚えましたが、恐怖とはたしかに『受け手には理不尽なものでしかない』のかもしれないと考えさせられました。また、舞台が高校モノということもあり、青春なひと幕・ふた幕が用意されていて、その甘酸っぱさや読んでいて思わずニヤついてしまうような感じ。その甘さを十分堪能することができました。
ただ、本作はビターチョコのような苦さが後引く味わいです。決して甘いだけじゃありません。
あなたもこの作品をぜひ味わってみては?