2022年5月3日16時。
白沢走様の作品『ゼドウィックに花束を』を発見。
作者からの一言コメントには『カルネアデスの板的な』とある。
ページを開いてみると『宜しく御願いしますっ!』と簡潔な一言。
またありがちな転生モノだろうか?
第一話のプロローグを読む。
ワタクシは衝撃を受けた。
は?
なんだコレは……。
冒頭でいきなり"詩"のような本文。
このお方、テンションぶっ壊れてるのか!?
いや、待てよ。
今一度"詩"を読んでみて思った。
――これ、いったいどれだけ推敲を重ねて作ったのだろう――。
もうこの時点でワタクシは自分を止められなかった。
「次へ」のリンクを辿る。
そこには、これでもか、と思わされるほど濃縮された一文一文があった。
言葉選び。運び。
洗練され、溢れる感性全開の地の文。
そんな2話目を読み終えて既に脳はぐったりしていた。
しかし同時に、ランナーズハイにも似た感覚にワタクシは陥っていた。
読み解く事に脳がフル稼働する。
そして脳が叫ぶ。
『もっとくれ!』と。
本作の凄まじさは筆舌に尽くしがたい。
でも、これだけは言える。
3話目以降、あなたもきっとスルスルと読めるように目が、脳が、慣れる。
そして驚くべき事に脳内で情景が自然に構築され、まるでその場に居るかのような感覚に陥る。
それはきっと、これまで経験したことの無い読書体験。
淡々と語られるのに、鮮明に映る戦闘描写は、なんと痛みや熱まで覚えるのだ。
サウナで"ととのう"体験があるという。
ならば読書で"ととのう"体験ができるのは間違いなく本作だ。
ワタクシがその証人。
その証拠に、脳内麻薬で満たされた読了後のワタクシは、時計に目をやると23時を指していたのですから。
え?
いったいワタクシが何に失敗したのか、ですって?
本作の公開日、2022年4月16日は土曜日だったのでございます。
不覚。
なぜもっと早く気付けなかったのか。いや、出会えなかったのか。
これほど驚かせられ、そして一気に引き込まれた作品。
物語の素晴らしさは言うに及ばず。
あなたも読書で"ととのう"を体験してみませんか。
【2022年11月22日追記】
な、なんと! 2022年11月14~11月21日に番外編エピソードが追加されました!
脳汁ドバドバ。また”ととのう”。
これは2周目行くしか!
【2023年04月25日追記】
ご存知でしょうか。
なんと……この素晴らしい作品に挿し絵が付いたのでございます!
表紙に加えて第9話、17話、そして24話に!
これはまた”ととのう”予感♪