心に響く音がした時、肉を斬る感触がした

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 舞台は中世ヨーロッパ。  あらゆる創作で使い古されているそんな場所も、作者様の確かな知識によって味わいのある個性へと昇華する。  詳細で綿密で、それでいて簡潔で読み易い作者様の文章によって、まるで自分が実際に貴族に仕えているかの様な感覚が味わえるでしょう。  程よく知識欲を刺激しながら話が展開されるので、それぞれのキャラクタが実際に肌で感じられる様です。  私は決して文章慣れしている方ではありませんが、とても読み易く感じました。  後書きには予備情報として短い文章が添えられており、作品の彩りとして過不足ない知識を与えてくれます。  多少ダークな雰囲気を感じる部分もありますが、それは作品に添えられた花でしょう。おどろおどろしくありながらも恐ろしくはない、グロテスクでありながらも気持ち悪くはない、作者様の手腕によってその様な塩梅に仕上げられています。  まるで香りが感じられるかの様な描写に、引き込まれる事請け合いです。  是非とも紅茶の香り共に楽しみたい作品です。  ただし、直前の食事は軽いものがいいでしょう。

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投稿日:2021年1月13日 14:19

最終更新日:2021年1月13日 14:19