リアリティがSF描写を楽しくさせてる現代神話的作品

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文体がちょっとクラシック気味(神話とか古典の、古めの翻訳、現代語訳みたい)かも。けど、現代的な語もわりと使われてて、結果的に現代(21世紀)舞台で、神話要素を取り込んでる作品としては、けっこう合ってる感じする。 日常の描写などが、素直に現実の現代世界を描いてる感じがあるのだけど、それがSF要素の強調に繋がってる作品とも思う。 例えば序盤の段階から、地名や、五輪などのイベントや、テレビ番組、南総里見八犬伝まで、現実世界を示唆する要素がほどよく散りばめられてて、その上で、地球に生きていた、すばる(プレアデス?)王朝の姫とかの設定も、情報だけは早くからあって、SF的描写がそれほど出てきてない段階から、SF感がわりと溢れてるのは、なかなか楽しい。 そして事前情報でワクワクをためておいての、SS2話の最初。いきなり宇宙に広がるパラレルワールド(あるいは天ノ川と異なる銀河系?)の、よく似ているけど別の知的生命体の話が出てくる流れなど、宇宙をガジェットに使っているSFならではのスケールアップ感もよく味わえる(最初のスタート地点が現実世界であることを強調している効果が、この辺りで活きてると思う) ファンタジーより、SF好きな人が楽しめる作風かも シナリオやキャラクターのノリみたいな部分は、朝の子供向けアニメとか、レトロゲームのシナリオ、児童文学的な(シンプルというか、素直な)雰囲気があるように思う。 また、「水を与えられて生き生きとした植物に似た明るい表情」、「顔というキャンパスの上に鮮やかな三原色の絵の具で描いたかのような笑顔」というような、何か風変わりというか、ポップというか、そういう印象的な比喩表現がわりとあるのだけど、それも全体的な雰囲気と妙に合ってると思う。 正直その辺りは好み別れるかもって部分でもあるけど、好きな人は深く好きになれるやつかと。

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投稿日:2021年8月27日 19:16

最終更新日:2021年8月27日 22:09