この作者様は現役の調律師、或いは本格的にピアノを弾く方なのかなと読んでいて思いました。 この作者様の小説からは様々なピアノの音色が聞こえてくる。読んでいて、ここまでお得意のついた作品は初めてだなと思いました。 音楽とピアノという表現の道具の描写の緻密さと愛がサロメちゃんによって熱く伝わってきます。 知識もかなり豊富な事が伺えますが、その知識が帰って邪魔をする事なく、魅力としてきちんと作品の中に落とし込める事がとても良いバランスになっており より世界観に引き込ませる良いエッセンスになっていると個人的に思いました。 登場してくるキャラクター達もそれぞれに個性が際立っており、今どきの動画配信なんかもお話の中に取り入れていて ロマンと暖かなノスタルジックさと新規さが同居していて好きです。 ピアノの調律師というのは様々な媒体で表現されている職業ではありますが、文学作品はなかなかありません。 作者様の愛ある筆致とその魅力に酔いしれてください。 続きもとても楽しみにしています!!