ネタバレ

世界の謎を紐解く『問題作』

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「シンギュラリティ」とは、そう遠くない未来に起こると言われているAIが人間を超える瞬間のことです。発達したAIは人の力を借りなくても次々と優れた後継を開発し続ける。結果どうなるから想像に易いところです。 わかりやすい例でいうと、『ターミネーター』や『マトリックス』の世界。AIが人類を支配した世界です。普通に考えてAIは人類を「不要」と判断して排除しにかかることはほぼ確実ではないかと言われています。そしてその「シンギュラリティ」に対する警告的な意味を持って前述した作品は作られています。 さて、今作はそれらとは少し視点が異なっています。世界観でいえば『マトリックス』に少し近いかもしれませんが、もっとスケールは大きい話になります。が、夢はないかもしれませんね。 この世界に存在する『神』だとか『奇跡』だとか『愛』だとか、そういう科学的に証明できない謎めいたものをAIのシンギュラリティについて紐解いていくことで解明してしまうわけですから。 私みたいな文系の人間は「謎は謎のままの方が夢があっていいんだから、わざわざ解明しなくても……」と思ってしまうのですが(実際作中の理論が正しいのかもよくわかりませんが、否定する材料もないので有り得なくはない話なのでしょうという程度に考えています)、確かに考え方の一つとして頭に入れておいていいものだと思います。引き出しが増えることは保証します。 そういう意味でも、ネット小説の中でのこの作品はかなりガチなSFなのではないでしょうか。 私も5年ほど前に書いた処女作は似たような話題を扱っていました。ある日突然人類がAIの作り出した仮想現実の中で支配されるという話で、そのために仮想現実についてや世界中のスパコンのスペックを調べあげたりしてだいぶ苦労した記憶があります。今のスペックナンバーワンのスパコンは中国の神威ではなくて日本の富岳とかいうやばいのがありますね。 この作品にはそんな付け焼き刃の知識とは比べ物にもならないような物が詰まっています。教養を高める意味でも読んでみて損はない作品かと思います。

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投稿日:2020年12月11日 23:03

最終更新日:2020年12月11日 23:03