革波 マクです。
僭越ながら紹介しますのは、
【夜明 様 作 『変身しないで縺ゅj縺ちゃん』】です。
ジャンルはノベプラ内では『現代/その他ファンタジー』で登録されている物語です。
物語の舞台は東京の楽土町。
『僕達が住む楽土町は、東京の中でも比較的平和な街だった。犯罪は少なく明るい人が多い街で、『笑顔の多い街トップ10』というバラエティ番組の妙なランキングにも上位入りしたことがある』(本文『第26話 終了の挨拶』抜粋)
そんな町です。
いつも自分なりに簡単なあらすじを書くのですが、
今作品に関しては、不必要かなと。
なぜなら、この物語を開いた時には、そこに内包される物語が触手のように絡みついて、「あっ」と声を出した頃にはずるんずるんと呑み込まれてしまうからです。
中毒性のある文章と、語彙と、キャラクターと、物語に溺れるのは快感です。(列挙したら多すぎてちょっと笑いました)ちなみに私の好きなキャラは魔法少女イエローこと、千紗ちゃんです。これ語ると文量やばくなるので、読んだ方はぜひ一緒に語りましょう。
脱線しましたが、物語に人を惹きつける力があるので、
このレビューはその1ページを開くための装置であると捉えて書きます。
だから貴方に問いかけます。
「貴方には描いていた『夢』はありますか?」と。
私は幼稚園の頃、七夕の短冊に「ピカ●ュウになりたい」って書いたそうです。その一年後には「カーレ●ジャーのレッドになりたい」だって。可愛らしいですよね。
それがいつの間にか。「スポーツ選手」とか「教員」になっていって、
現在では「自分の時間が取りやすい、パートタイムとかで仕事ないかな」とか考えるわけです。
幼稚園の頃の夢を「ははっ」と鼻で笑いたくなる。それをできるのが『大人になった特権』。でも、振り返ると泣きだしたくなる。
『夢』は懐かしい、綿飴のような、脆く甘い、そんな匂いがする。
縺ゅj縺ちゃんはじめとして、楽土町のみんなは『夢』を持っている。
かわいい魔法少女になりたい。
かっこいい怪獣を見てみたい。
でも、世界はそんなに甘くないんだ。
夢は柔くて甘いものだから、一回溶けだすと蟻がたかるし、埃がつく。綿飴が溶けきった時に見えてくるのはなんだろう。ハズレクジの棒切れだなんて誰も信じたくはないんだよ。
『変身しないで縺ゅj縺ちゃん』の魔法少女に衝撃を受けるのは、そのような誰しもが持っていた『夢』があるからではないかと思います。
是非とも1ページ。殴られるような読書体験。開いてください。
*
なお、ここから『変身しないで縺ゅj縺ちゃん』をより楽しむ為の情報なので、頭の片隅に入れておいてください。二点ほど。
①物語に『文字化け』を効果的に使った文章があります。(例 縺ゅj縺ちゃん→ありすちゃん)これは『文字化けテスター』というサイトで読み解くことができるのでオススメです。
※解かなくても問題ないですが、『第20話 魔法少女ブルーちゃん』は読み解くとめっちゃ熱いです。
②作者である夜明さんは、絵も非常に達者でらっしゃるので、物語が好きになった方は夜明さんのTwitterフォローを強く勧めます。キャラクター達の可愛い(たまにぶっ飛んでいる)イラストが見られます。
以上です。是非に!