レビュアー

ネタバレ

ギャンブル依存の当事者が綴る、引き込まれる文章。

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これは、作者がギャンブル依存症になるまでを書いたエッセイである。ちなみにそれは現在もなお続いているようです。 テーマとしてはだいぶ重たく、話の中では"人工妊娠中絶"も出てくる。それが、途中でつかえることなくすらすらと読めるストレスフリーな文体で綴られている。どこか淡々とそして克明に綴られる街の風景、作者のれどさんが見たもの。 何より、中絶する結果となってしまった彼女の気持ちを書かない、書けないというのがリアルで良いな、と思った。 ギャンブル依存、中絶というワードが並んでいるけれど、学生時代の作者のまわりからの評価はすこぶる良かったようで、友達も多く、彼女もいて、そしてサークルの事を任せられるーー成績優秀な人物。 しかし裏では、競馬に依存し多額の借金を背負う人物。 読者目線から見ると、ギャンブルのやめ時はいくつでもあったように感じる。 例えば、最初に借金がなくなった時だとか。二回目に借金がなくなったときでもいい。 ただ、読んでいくうちに、それでも辞められないから依存症なのだと突きつけられる作品であると思う。 ギャンブルは、最初に勝ってしまうとそのままハマってしまうとは良く言う。駅前を歩けばパチンコ屋は何軒も並んでいるし、ネットから競馬もできる。ギャンブルへの入口はそこらへんに転がっている時代だ。 ただ、最初に勝つまでに自らギャンブルの世界に飛び込む必要はある。 作者のれどさんはご両親がギャンブルをする姿を見て育ってきたそうだ。だから、他の人よりもギャンブルに対するハードルは低くその入口にたどり着くまでも早かったのではないかなと思う。 誰にでも可能性のある依存症への道。そのリアルなお話に興味を持たれた方がいましたら是非作品も読んでみてください。

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投稿日:2020年7月23日 10:13

最終更新日:2020年7月26日 22:28