青春は甘酸っぱいだけじゃくて苦い。でもだからこそ味わい深いんです。

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 本作は陰キャの中学二年生の西藤が、クラスの席替えを契機にして金剛結衣――金剛さんに出会い、青春の甘酸っぱさ、そして苦さを体感していく物語です。  金剛さんは『ウチ』という珍しい一人称を使うクラス内でも目立つ存在。  つまり陽キャなのですが、小悪魔だけど人懐っこく、また少し闇を抱えていたりと、愛さずにはいられない要素がこれでもかと凝縮された女の子なんです。  こんな娘と青春が送りたかった。素直にそう思います。  趣向を捻じ曲げるだけの力は確実にあります。  寝娘さんの素敵な表紙も相まって、その魅力は天元を突破しております。  何度も言いますが、金剛さんと青春を送りたかった。  本当にそう思います。  最初は金剛さんを警戒していた西藤ですが、徐々に金剛さんと打ち解け、彼女との仲を深めていきます。  でも当事者の西藤は自身が恵まれた環境、貴重な青春の中にいることに気づけていないんです。 「私と居場所を変わってくれ!」  そう願わずにはいられませんでした。  本作は過去の実話をベースにしている青春小説という作者のコメント通り、中学生の青春を見事なまでに形にしています。  席替えのあるある、女子に対してのあるある。  そのあるあるを見るたびに自身の過去、過ぎ去ったはずの青春がよみがえってきて、他の小説にはない読感を覚えました。  なので本作は20-40代、かつて学生だった読者にヒットする小説だと考えています。  青春が遠い昔に終わっているから、ラストのエピソードはとても心に響くと思います。  仕事や勉強のブレイクタイムに 『隣りの席の金剛さん。』  を読んでみてはいかがでしょうか?

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投稿日:2020年3月21日 15:03

最終更新日:2020年3月21日 15:03