水晶の怪物に立ち向かう人間の物語

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 この小説は突如として現れた黒い色をした水晶のような怪物、アビスによって地球が侵攻されているという世界線。舞台が現代なだけあってその侵攻はかなり絶望的な空気感を醸し出しています。そんなアビスに対抗する防衛機関はCADという対アビスデバイスなるものを作成し、適性にあった武装をしてアビスに立ち向かうというのが大まかなストーリーです。  この小説を読んでまず感じたことはしっかりと時代背景を考えて制作しているというところ。アビスの存在が確認された時にNATOが防衛したという記述から人間同士の大戦争が終わって冷戦の時期にアビスがやってきたということが示唆されます。それが過去の出来事として主人公の優人は思っているのでおそらく世代的にも彼は今現在の高校生の立ち位置が分かるという時代的にも矛盾が生じない作りとなってます。  そしてアビスという存在、これも素晴らしい。このアビスの見た目は正八面体の黒い水晶のような形状という思った以上にシンプルな見た目をしていますがその戦力は全身から赤い光線を発射して無差別に街を焼き尽くすというかなり絶望感溢れる敵となってます。このような小説って気持ち悪いクリーチャーとかカッコいいような見た目のエイリアンとかを想像しがちですがあえてこのようなシンプルさを追求した敵を出すことで戦力への絶望感をしっかりと醸し出していることがよく分かりました。  そして同い年の妹を持ってる主人公の優人君、羨ましい……! あ、いや彼もいいキャラしてると思います。学生というかまだ若いのにこうやってアビスの対抗のための訓練を積んでいるところとか親がアビスによって死んでしまったこととかの物思いとかもしっかりと表現されているのでキャラの成長も見ものだなと思えました。  この小説は地球外生命体が地球に侵攻してくるというSF物です。しかし、シンプルさを追求して絶望感を表現させたアビスという敵、作り込まれた時代背景。そして武装して戦うという設定。かなり好みの人も多いと思います。実際、私が「狙撃……近接……空撃……ほほぉ!!」みたいな状況でしたしwww  さぁこのレビューを読んで「あ、好きかも」と思ったみなさん、本編があなた達を待っている! すぐに読みましょう!

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投稿日:2020年6月4日 11:10

最終更新日:2020年6月4日 11:10