本作品はチョコレート三題噺なので、当然「チョコレート」のお話なのです。 本作品は、病気の謎の少女チヨコが作るチョコレートに主人公の少年スバルが魅了されるところからはじまります。 あとは「告白」と「恐怖」がどう来るか、という予想を立てつつ読むわけなのですが──。 思出怪談などホラーを何作も書かれている伊藤さまならではの、リアルな生々しい怖さが感じられました。 うーん。わかっていても怖い。物語全体に漂っている空気が醸し出す世界が怖さをジワジワと誘います。 しっかりとした文章力なのでサラサラと読みやすく、シンプルな分かりやすさでありながら謎が残る──。 私はとても面白かったです。 あら? あなたの食べているそのチョコレート。 ちょっぴりほろ苦くないですか? そう。 甘いけど、鉄のような──。 タイトルの「チヨコ」の意味がわかりますので、是非最後まで読んでみて下さいね。