レビュアー

ひたすらに心の奥に訴えかけて来る名作

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 熱も毒も想いも、とにかくストレートな作品。  障害者、という扱うには難しいテーマ。社会に適合することの難しさ。  他者と違うという点の苦悩と自己嫌悪。  理解を求める心と不理解のままであって欲しいという矛盾。  それとどこまでも向き合い、或いは訴えかけるような描写と、毒がありながらも繊細な台詞運び。  全てに説得力がありました。  特に台詞かも凄い。ストレートなのに脆く、登場人物が抱える痛みを現した言葉選びが凄かったです。  例えば↓ 「別にぃ。ただ、俺ちゃんもう俺ちゃん自身にうんざり来てんのよ……痛いのが丁度いいわ」  登場人物の背景を知っていなくても、心境が伝わるような台詞です。痛いのが丁度いい、と  いう所とか息が漏れるくらいでした。  差し伸べられた手を掴むことが、ただ怖い。  優しさを疑わずにはいられない。そんな彼の擦り切れた立場が飾らない台詞で伝わってくる。  そこが何より自分がこの作品に夢中になった箇所でした。 「どんな過去があっても、どんな事があっても俺は一緒にいる……それでは駄目なのか?」  では、そんな彼の心を癒せることが出来るのか。  一緒に居るだけでは駄目なのか。  彼らに幸福は許されないのか。  その結末を、是非見届けていただきたいです。  "好み"を超えた、心の奥深く柔らかい所をぶん殴ってくれるような作品。  どうぞご堪能下さい!

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投稿日:2021年5月3日 09:42

最終更新日:2021年5月3日 09:42