レビュアー

ネタバレ

おいでよおいで。狐火がかかるその夜に

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 消しゴムを落としたはずなのに、全く見当たらない。そういう経験はありませんか?  人間の手には及ばない不可思議な現象を思い出して下さい。  今回レビューさせていただきますのは、姉妹編。  妹がある日突然いなくなった。まさに神隠しのようないなくなりかた。  大人がどれだけ探しても見つからない。けれども、子どもの目は特別です。  見えないものを見ることができます。ねぇねは、藁にも縋る思いで不思議なものを売っている狐火の市へ旅立ちます。  ねぇねのまっすぐな妹の思い。純粋すぎる感情とどこか懐かしい方言。  どの年代層も「不思議が見える子供の年齢」に引き戻される錯覚。  狐火がかかる山を息を殺して、じっと目をこらして見つめる力強さ。  暗がりの山に恐怖を抱きつつも、妹のために駆け上がる姉の強さ。  狐火の市。日本の懐かしい夏まつりを連想させる光景。狐火の市を闊歩するアヤカシの人々。  登場するアヤカシが人間臭くて、近所にいる優しいおじさん・おばさんのよう。  筆者の優しいねぇねの言葉に、私たちはねぇねの周りを飛ぶ「蛍」となって彼女の行動を見守る事でしょう。  感情に逃げることのないまっすぐな姉妹の物語。  読めば読むほどに、セピア色の懐かしい記憶が貴方の胸に飛び込んでくるんのではないでしょうか?  ねぇねは妹と出会うことはできたのでしょうか?  その結末は、狐のお面をかぶり、提灯と大切なものを持って、その目でお確かめください。

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投稿日:2020年9月16日 20:39

最終更新日:2020年9月16日 20:41