お飾り

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  • お飾り王妃なんてなんてまっぴらごめんです!!

    短期集中連載デス💕

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    2023年3月19日更新

    王妃、レイニーマインは従順な妻だった。公爵令嬢として当時の王太子に嫁ぎ、まだ世継ぎには恵まれていないものの幸せな日々を送っていると思っていた。 しかし。 ある日夫である王クレインが腹違いの妹のリリスと浮気しているのを目撃してしまう。 詰め寄るレイニー。開き直るクレイン。 そして聞かされる、リリスの懐妊。 全てはレイニーに子ができないのが悪いのだと、そう言い放つクレインに。 それでも、王妃としての政務は今後も続けさせてやる、と。 お飾りであっても、王妃の座はお前にくれてやる、と。 そんな虫のいい話にとうとうキレたレイニー。 「いいです。お飾り王妃の座なんかいりません! 離縁、してください!」 「ふん、お前のようなグズを王妃にしてやった恩も忘れてそれか。ああわかった。離縁してやる」 「最後に、わたくしたちの後見人となってくださった帝国皇帝陛下にご挨拶をしたいと思いますが」 「ああ、そうだな、皇帝陛下にもお前と離婚してリリスと婚姻を結ぶ旨を報告しなくてはな。しかしいいな、余計なことは言うなよ。説明は全て私がする。そもそもお前など、私の妻でなければ皇帝陛下の御前にもあがる資格はないのだからな!」 学生時代。 王太子だったクレインの後輩として生徒会に参加したレイニー。 当時、慣れない会計の仕事を一生懸命にこなしていたものの、思わぬミスや間違いをしてしまい落ち込む彼女に。 厳しくも、温かい目を向けてくれたクレイン。 だからか。 こうして婚姻し王妃となったその後も、二人の関係は当時の先輩と後輩のように。 王妃として頑張って国家経営に励むレイニーに。 苦言を言うだけの王、クレイン、という構図がいつの間にかできていた。 それでもいい。 それでもわたくしが頑張れば、国のためにも愛するクレインのためにもなると。 そう思って頑張ってきたのに。

    読了目安時間:48分

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  • お飾り公女エリカティーナの幸せ。

    のんびり新連載デス💕

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    2023年1月21日更新

    「あの公女さまは魔法が使えないらしい」 「|清浄《アクアキュア》も、|清風《アトモスフェア》も使えないんでしょ?」 「そんな下級の家庭魔法も使えないなんて、本当に貴族なの?」 今日もそんな声が聴こえる。 宮廷侍女の面々は貴族としての矜持も高くてお仕事をする分には完璧にこなすけれども、こういうところはちょっとね。 そんなふうにも思いながら今日も今日とて雑巾を持ってあちらこちらを掃除してまわっている彼女はこの国エリアルシュタイン公国の大公の息女。 魔力の多寡が貴族の地位をも裏付ける、そんな魔力至上主義のこの国で、残念ながら貴族失格とも言われるレベル、魔力ゼロで産まれてきたエリカティーナは、それでも一応は大公の娘として本来なら敬われる立場だった筈なのに。 そんな敬意はもう周囲の誰にも、どこにも残ってはいなかった。 エリカティーナは公女としてここ聖女宮の祭主を務めていた。 といっても。 実際の祭祀では祝詞を唱えるのも儀式を執り行うのも神に祈るのもみんな本職の神職の方がやられるから、エリカティーナとしては御簾の後ろでしゃんと座っているだけではある。 まあいわゆる「お飾り」、だ。 それでも。 最初のうちはまだ良かった。 七つの時に大公に指名され祭主の職に就いた時には、「あなた様はそこにいらっしゃるだけで良いのです」とか、「いてくださるだけで聖女宮の格が上がります」とか、下にも置かないもてなしぶりで扱われ。 まあそれもそれで彼女にとっては肩身の狭いものではあったのだけれど。 だからか。 ——魔力が無くたって何か役に立てることがあるはず! そう考えせめてと下働きのものに混じってそこいらの掃除をするようになったのは。 でも、それが逆に悪い方に働いてしまった。 「公女様が魔法を使えないって、本当だったみたい」 「お掃除なんて簡単な生活魔法でできるでしょ?」 「貴族なのに、手を汚して掃除をするなんておかしいわ」 そんなふうな陰口が聴こえてきて。 ——そっか。貴族は手を使ってお掃除しないのか。 そうエリカティーナが認識した頃にはもう遅かった。 瞬く間に広まった、 『失格公女』『お飾り公女』 の噂。 それでもまだ、ここ聖女宮で働いている今はまだマシだ。 子供の頃、まだ王宮で過ごしていたころに比べたら。

    読了目安時間:26分

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  • 同タイトルの短編を連載化しました。 よろしくお願いします。 「君を愛する事はできない」 新婚初夜に旦那様から聞かされたのはこんな台詞でした。 貴族同士の婚姻です。愛情も何もありませんでしたけれどそれでも結婚し妻となったからにはそれなりに責務を果たすつもりでした。 元々貧乏男爵家の次女のシルフィーナに、良縁など望むべくもないことはよく理解しているつもりで。 それでもまさかの侯爵家、それも騎士団総長を務めるサイラス様の伴侶として望んで頂けたと知った時には父も母も手放しで喜んで。 決定的だったのが、スタンフォード侯爵家から提示された結納金の金額でした。 それもあって本人の希望であるとかそういったものは全く考慮されることなく、年齢が倍以上も違うことにも目を瞑り、それこそ両親と同年代のサイラス様のもとに嫁ぐこととなったのです。 何かを期待をしていた訳では無いのです。 幸せとか、そんなものは二の次であったはずだったのです。 貴族女性の人生など、嫁ぎ先の為に使う物だと割り切っていたはずでした。 だから。縁談の話があったのも、ひとえに彼女のその魔力量を買われたのだと、 魔力的に優秀な子を望まれているとばかり。 それなのに。 「三年でいい。今から話す条件を守ってくれさえすれば、あとは君の好きにすればいい」 とこんなことを言われるとは思ってもいなくて。 まさか世継ぎを残す義務さえも課せられないとは、思ってもいなくって。 「それって要するに、ただのお飾り妻ってことですか!?」 「何故わたくしに白羽の矢が立ったのですか!? どうして!?」 事情もわからずただただやるせない気持ちになるシルフィーナでした。 それでも、侯爵夫人としての務めは果たそうと、頑張ろうと思うのでしたが……。 番外編スタートです。 終わったら第二部も行きますね。

    読了目安時間:3時間12分

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  • 「君を愛する事はできない」 新婚初夜に旦那様から聞かされたのはこんな台詞でした。 貴族同士の婚姻です。愛情も何もありませんでしたけれどそれでも結婚し妻となったからにはそれなりに責務を果たすつもりでした。 元々貧乏男爵家の次女のわたくしには良縁など望むべくもないとは理解しておりました。 まさかの侯爵家、それも騎士団総長を務めるサイラス様の伴侶として望んで頂けたと知った時には父も母も手放しで喜んで。 決定的だったのが、スタンフォード侯爵家から提示された結納金の金額でした。 それもあってわたくしの希望であるとかそういったものは全く考慮されることなく、年齢が倍以上も違うことにも目を瞑り、それこそ父と同年代のサイラス様のもとに嫁ぐこととなったのです。 何かを期待をしていた訳では無いのです。 幸せとか、そんなものは二の次であったはずだったのです。 わたくしの人生など、嫁ぎ先の為に使う物だと割り切っていたはずでした。 女が魔法など覚えなくともいい それが父の口癖でした。 洗礼式での魔力測定ではそれなりに高い数値が出たわたくし。 わたくしにこうした縁談の話があったのも、ひとえにこの魔力量を買われたのだと思っておりました。 魔力的に優秀な子を望まれているとばかり。 だから。 「三年でいい。今から話す条件を守ってくれさえすれば、あとは君の好きにすればいい」 とこんなことを言われるとは思ってもいなくて。 新婚初夜です。 本当に、わたくしが何かを期待していた訳ではないのです。 それでも、ですよ? 妻として侯爵家に嫁いできた身としてまさか世継ぎを残す義務をも課されないとは思わないじゃ無いですか。 もちろんわたくしにそんな経験があるわけではありません。 それでもです。 こんなふうに嫁ぐ事になって、乳母のミーシャから色々教えて貰って。 初夜におこなわれる事についてはレクチャーを受けて、覚悟してきたのです。 いくらなんでもあんまりじゃないでしょうか。 わたくしの覚悟は、どうすればいいというのでしょう?

    読了目安時間:16分

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  • 「破棄だ破棄、お前との婚約など破棄だ!」 聖女宮に乗り込んできた王太子グリフィード殿下にそう告《つげ》られたわたくしセルフィーナ・ファウンバーレン。 公職である聖女は国の聖域を護る巫女であり、上級貴族の息女が結婚までの期間務めあげる聖なる職務でありました。 わたくしの実家ファウンバーレン公爵家は代々そうした聖女を排出してきた家系。 魔力的にこの国、そして王家を支えてきた名家です。 幼い頃より家同士の繋がりで決められたグリフィード王子との婚約は、そこには恋愛感情こそなかったものの、幼馴染としての情は感じておりましたし殿下もそうであると思っておりましたのに。 はい? お飾り聖女は要らない、ですって? わたくしがこうして公務を司っている最中にあなたが通っている学園で真実の愛をみつけた、のですか? 彼女は真の聖女だからこの国は安泰だ。彼女を害そうとしたわたくしの罪は許せない、って、なんの事ですの? わたくしそのリーザさんとやらは存じあげませんけれど。 社交パーティの場でのイジメ、ですって? そもそもわたくし、ここ数年はこちら聖女宮に篭っておりました。 自分の誕生パーティ以外にはそういう場に出てもおりませんのに。 はあ。婚約破棄の上国外追放ですか。 わたくしが口下手であなたの前では口答えができないからといってその言いがかりは流石に我慢ができません。 もういいです。 うんざりです。 わたくし、本物の聖女なのですがよろしいのでしょうか? この国がどうなってももう知りませんから。

    読了目安時間:9分

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  • わたくしセリア・フォン・ローゼンシュタインは花も恥じらう17歳。現在は聖女の職についております。 聖女は公職。 元来皇女や公女、聖なる血筋に連なる息女が婚姻までの期間勤める名誉職なのですが、皇太子妃の選定となると少し事情が変わっていて。 昔から皇太子妃に選ばれるためには聖女の職にあったものでないと、という不文律があったのです。 まあ今は、そういう事情もあってアルベルト皇太子の婚約者であるわたくしが現在の聖女を努めているわけなのですが……。 「今日を限りに貴女との婚約を破棄させて頂きたい!」 はい? 今、なんと? 「ローゼンシュタイン大公には先ほど早馬を送った。貴女に落ち度は無い。全てはこの帝国の行く末を勘案し、思慮思案した結果の事。セリア、君には本当に申し訳なく思っている」 真剣な眼差しで、そう語る彼。 元々は政治的な思惑が深く関わった婚約ではありました。 未来の帝国を担う皇太子と、帝国を構成する国家の中でも今一番力があると言われているローゼンシュタイン大公国公女の結びつきは、世界の安定にも寄与するはずでした。 ですから、他にもっと利点がある妃候補が見つかったのであれば。 こういう選択肢を彼や彼の周辺が選ぶということはあり得たこと。 もちろんわたくしの父上は激怒するでしょう、しかしその見返りをもどうやら用意をしているご様子。 それでも。 幼い頃より貴方に恋をしていたわたくしのこの気持ちはどうすればいいというのです!? ああ。もう何も信じることができません。 わたくし、もう恋なんかしません! こんな悲しい思いをするのはもう嫌です! ええ、わかりました上等です婚約破棄でもなんでも受け入れましょう。 わたくしは国にこもって猫を愛でて暮らしますから!! はい? 真の聖女? なんですかそれ? はうう。ちょっと様子が違ってきたのですが……。

    読了目安時間:11分

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