男子高校生の榊守綾人(さかきもりあやと)は、夏休みの夕暮れ、一人、父の書いた小説を読み耽っていた。 そんな父が描いた物語の「きさらぎ駅」に現れたのは、奇妙な赤い唇の女だった。 自らに語り掛けるような女のセリフに首を傾げていると、スマホに着信が入る。 画面の向こうから襲い来る赤い唇の女。 彼が怪異に追われながら発見したのは、首を引き千切られた父の死体だった。 一方、大学生の韮井識(にらいさとる)は、多忙な叔父から「コトリバコ」の捜索を請け負う。 都市伝説とは違う「本当のコトリバコ」を探して、彼は捜索依頼を出した元祓い屋の榊守道人(さかきもりみちひと)を辿る。 首を引き千切られた父、赤い唇の女、詩節の隙間に棲まう者、蝶を纏う男、肥大するきさらぎ駅の噂、消えた死者達、コトリバコの正体 次第に、綾人と神を宿す少女〈指織姫〉との因縁が露呈して行き…… 嫉妬と愛憎、現代怪異に包まれて、少年はある一家の最期を明かしていく。 ■狂信の怪異譚シリーズ ⓪益母の呪神:https://novelup.plus/story/127399690 ↓約8年後 ①冷凍された真夢:https://novelup.plus/story/320121132 ↓2年と数か月後 ②夢蟲の母:https://novelup.plus/story/649994066 ↓3か月くらい後 ③神宿る指織:本作 ※イラスト:自作
読了目安時間:3時間25分
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