応募用あらすじ(※ネタばれを含みます) 成瀬蓮(なるせれん)は音楽の道を志す高校三年生。バンドメンバーが提案したゲームに負け、同じクラスの満島夏月(みつしまなつき)という男子生徒に偽りの告白をすることになった。従う気の無い蓮だったが、夏月を観察しているうちに夏月に好印象を抱くようになる。 友人から始まった二人の関係は、ある日変容を迎える。恋人のような存在など自分にはできっこないと夏月が諦めたように言いきった時だった。蓮はとっさに「じゃあ俺がなる」と結局偽りの告白をしてしまう。驚いたことに夏月の返事は「僕も好きだった」なのであった。 罪悪感を抱きながらも恋人として共に過ごすうち、蓮は夏月に対する自分の気持ちを自覚する。知らぬ間に惹かれていたのだ。だが蓮の心には罰ゲームのことが引っかかる。もっと悪いことに彼はある時、そのことを自身の口から滑らせてしまう。夏月はもう関係をやめようと言った。挙句、学校にさえ来なくなってしまった。 未練を引きずったまま蓮は二十歳になる。売れっ子バンドとして音楽番組に出演した際、メンバーはカメラ越しに夏月へ向け、ちゃんと蓮を振って欲しいという発言をした。 まさかとは思ったが夏月との再会が叶った蓮。まだ好きなのだと思いを告げれば夏月の様子がおかしくなる。罰ゲームのことを実は最初から知っていた、と彼は告白を始めた。高校時代、夏月は教師と体の関係をもっていて、事に及ぶ時は必ず蓮たちがバンド練習をする部室の隣の部屋にいたのだった。だから夏月の頭の中では常に蓮の歌が鳴りやまなかった。そして彼は全ての会話を聞いていた。 本当はずっと蓮が好きだったと打ち明けた夏月。夏月を忘れられなかった蓮。遠回りをした二人はこの日、ようやく互いの想いを確かめあったのだった。 (作者、高校生もの大好物侍) ※応募テーマ「③お題フリー」 よろしくお願いします!
読了目安時間:1時間5分
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