緩やかに終わりに向かう世界の空。毒ガスで汚染された地上に住めなくなった人類は、海上や海底、空に居住区を作り上げて生活を営んでいた。 数多の船団が組み合わさり、都市を形成している貧乏船団都市「海鷹」から、最新鋭の技術と超能力者が生活している航空都市「月見」に留学した天文学者の「星宮望未」。本来なら二年間で終わる留学は、物資不足が原因で勃発した戦争の影響で海鷹への帰還が不可能となり、留学の無期限延長を言い渡された。 これは、留学三年目の冬 今日も彼女は戦火の中心である空を眺める 今日は特段穏やかな日。愛する彼も今日は仕事がない休息日。けれど、休もうとはせずに、望未の話を聞きたがる。 これは、空に生かされている天文学者と空気を操る能力者の、冬の空に関わる少しの日常と、ふとした思いつきのお話です
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