「こんにちは!」 「あれ? 私の日本語おかしいのかな?」 「ちょっと!」 いやいや、ありえない。俺ににゃんこ星人の知り合いなんていないし。ましてにゃんこ星の姫様が俺の前にいるなんてありえない。 「玄関までお送りします」 「はーい! って、なんで送り返そうとするのよ!」 幼なじみの初音千奈美に告白して、振られた俺―月島誠人はソファーの上で黄昏ていた。 ちょうどその頃、インターフォンが鳴って、宅配便がきた。ドアを開ければ、そこには大きなダンボールが置いてあって、宛先人は俺になっている。 いたずらかもと疑いつつも、ダンボールを開けたら、中から水色の髪をしたちょっと変わった美少女が出てきた。 なんと、彼女には猫耳が付いてるのだ。 そして、彼女は今テレビに映っているにゃんこ星の姫様とそっくりだった! 姫様なのに、なぜダンボールに入っていただろうと不思議に思った俺は彼女に質問をぶつけた。 「なんでダンボールに入っていたの?」 「宇宙船で来るより安いから~ ほら私結婚したから、家庭的なとこを旦那さんに見せないと」 「なんか庶民的だな。とりあえずおめでとう」 「他人事みたいだね? 旦那はあなただけど?」 どうやら、俺の知らないところで、俺はにゃんこ星の姫様―姫野ねねと結婚している事になっていた。 そんなの納得できない! 俺はまだ千奈美が好きだ…… そして、ある日、俺は千奈美に呼び出された。 「まこと、私はほんとはまことのことが……」 「授業もうすぐ始まるし、先に教室に戻るね」 「……まこと」 ごめん、千奈美、もう遅いよ。だって…… 「私以外の女の子を好きなのは浮気! 星間問題よ!」だそうだから。 千奈美が危ない目に遭わないように、俺は決して星間問題を起こしちゃいけないから。 ほとんど人間と変わらないけど、猫の習性を持っている俺の嫁は浮気を許さない。 ほのぼのとしたちょっとえっちな俺の日常と愛の逃避行は問答無用で始まった。
読了目安時間:58分
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