ここは平和なリアリテ大陸。 人々は概ね平和に生活を営んでいた。 が、フィルマード王国の街角で男たちに絡まれた銀髪の美少女シオンが、旅のはぐれ魔道師タイラと出会った頃から世界は夢と現実が混じりあうようになってしまった。 この世界の魔道は魔道具と呼ばれる杖や装飾品を拠り所に発動されるものであったが、シオンは彼女自身が強力な魔道具となることができるレアな一族(チャージャー)であったのだ。 彼女はタイラと会ったその日。 運命の18歳の誕生日を迎えていた。 18歳の誕生日──それは一族が特定の相手と「契約(けっこん)」が結べるようになる年齢である。 性行為をもって契約は成立となり、婚姻より強い絆で結ばれた相手(パートナー)は無限のパワー源を得ることになるのだが……。 夢の世界に起こった不思議な異変により、シオンは夢の世界からも彼女のパワーを求めて狙われていた。 眠ってからも夢の中でひたす夢魔(ナイトメア)と戦い続け、起きてからもレアな一族として権力者に狙われるシオンは、安眠を手に入れるため早急に自分を守ってくれる「契約者」を探すことにしたのだった。 その白刃の矢がたてられたのが偶然、街で知り合った青年タイラ。 この世界で魔道師は王族(支配者)に限られていた。 実はタイラも、ある国を出奔した王子だったのだが──。 タイラと強引に契約を結ぼうとするシオン。 抵抗するタイラ。 そこへ、夢魔がシオンを狙ってこちらの世界にまで現れて!? この危機を切り抜けるために口づけ(キス)で仮契約を結ぶシオン。 口づけでパワーを「充電」したタイラは見事魔物を消滅させるが、契約の対価として体力が落ちたシオンを「充電」するため、夢の世界とこちらが混じりあう原因となったドリームワールドへタイラも同行することになったのだが──。 つい、普段はツンデレな態度をとってしまうシオンだったが、いつしかタイラに惹かれてしまった彼女。 夢の世界に逃避し、世界のバランスを崩した張本人である黒幕魔道師とタイラの因縁とは? 真の黒幕とは誰か? 最終決戦を前に二人は、ついに「結婚」をも超える深い関係となり、無事に元の世界を取り戻すことが出来るのか──? この先は本編でお楽しみ下さい。
読了目安時間:31分
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