なし崩しに異世界との交流が始まった21世紀前半。 赤い砂漠の中にある小さな町「ピーチバレーパラダイス」と呼ばれいてた。 かつてはなんの変哲もないスモールタウンだったこの街は、住民が大量死する大事件がおきた七年前から封鎖されている。その中を支配しているのは、非合法の商売が目的で異世界からやってきた悪い妖精達だった。 ピーチバレーパラダイスの中にある見せかけだけの教会では、十二人の少女と二人のシスターが生活する孤児院が併設されていた。 孤児院の少女たちは皆人格と記憶を壊され、ここに連れてこられた元魔法少女達。みせかけだけの教会は実は悪い妖精が営む娼館で、孤児院の元魔法少女たちは娼妓として働かされている。 その中の一人、青い瞳と栗色の髪にお人形のような可憐な外見を持つマルガリタ・アメジストは、十二人の少女のうち一人だけ様相の異なる少女・マリア・ガーネットに一方的に惹かれている。 赤い瞳と鋭く敏捷そうな体と使い魔の宿った鋼鉄の右腕を持ち、非合法バトルショーでヒールとして魔法少女を叩きのめしているマリア・ガーネットは他の少女たちと壁を作って生活していた。 圧倒的に強くて綺麗で孤高なマリア・ガーネットに、外見とはうらはらに欲望に忠実で狡猾なマルガリタ・アメジストはお構い無しに近づいて距離を詰めていく。 その傍ら、マリア・ガーネットの鋼鉄の右腕が七年前の事件の生存者であり、地獄を目の当たりにしても神様を信じて自分を護り生きてきた少女であること、そしてこの小さな魔法の国の中で悪い妖精たちの内紛が起きようしていることを知らされる。 七年前に右腕と家族を失った代償に魔法の力を得、この教会で唯一壊されなかった魔法少女として奴隷同然の身分に生きるマリア・ガーネットを「天国」に連れて行くために、壊された魔法少女のマルガリタ・アメジストは自分が出せるだけの力を出そうと決意する──。 教会を模した娼館が舞台の変化球魔法少女モノです。あと百合です。 (百合ですが男性キャラと絡むシーンが出てきますので苦手な方はご注意を……) わりと血なまぐさい要素の多い話ではありますが、基本は「戦場のガールズライフ」といった内容で、アクションよりものんびりした日常にスポットを当ててるところが多いです。 ※カクヨムさんでも同じものを公開しています(そちらでは全話公開済みです)。
読了目安時間:11時間35分
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