火葬屋ジッポ
楠々蛙
文芸/純文学
連載中
長編
90話
337,500字
2023年1月25日更新
「たとえこの街でも、死んだ人間は生き返らない。決してだ」 死んだ人間がキョンシーへと転化し、生きた人間を襲う街――チャイナタウン。一九九七年から世界各地の都市がチャイナタウン化する中、二〇〇〇年に日本で初めてキョンシー転化現象が起きたのは、横浜でも神戸でも長崎でもなく、池袋だった。 そして二〇〇六年、両切り煙草”パーカッション”をこよなく愛飲する火葬屋ジッポと、キョンシーでありながら”魂”を持つ少女リュィ、池袋駅北口辺りに位置する雑居ビル――比良坂ビル五階に居を構える二人は、閑古鳥を飼いながら、少ない依頼をこなし、キョンシーの火葬に明け暮れていた。 そんな彼らの許に、ジッポの師であり、リュィの母でもある黄燐――一年前に死んだ彼女の陰とも言える男、デュポンが現れる。 これは、死を覆された街で巻き起こる、死者を想う物語《メメント・モルトス》。 ※この物語はフィクションです。実在の人物、団体とは関係ありません。また、この物語はいかなる政治的意図も持たず、実在の人物、団体、民族、国家などを誹謗中傷する意図はありません。 ※この作品は、喫煙を推奨するものではありません。
読了目安時間:11時間15分
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