雨の日、一緒に雨宿りをした行きずりの美しい男性に、あたしはキスで孕まされた。そのひとは額に一本、ツノがあった。 あたしはたまごを産み、アパートの部屋のベッドの上であたためた。たまごから産まれたのはとてもかわいいユニコーンの男の子。あたしはその子を愛し、ユニオと名づけ、育てはじめる。 刑事がやって来て、ユニコーンのたまごを探しているとあたしに言った。あたしは知らないと答える。この子を守る。守らなければ。 やがて事態はあたしが想像もしていなかったほどに大きなものとなって行く。 ※ダークファンタジーです。本作に登場する『ユニコーン』は神話のそれではなく、人間に擬態する架空の肉食動物の名称です。ご了承ください。
読了目安時間:1時間38分
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