世界をにじのような場所に、もっといい場所にしていくために〝にじのパワー〟をうけとった者たちがいた。 かれらは、〝にじニーズ〟とよばれている。 ここは、そっくりだけれど、どこかちがう、もうひとつの地球。 ビー玉のなかをのぞきこんだときに、ひろがっているような、もうひとつの魔法の世界。 むこうの世界の人たちは、妖精たちのことをシェアルとよんでいる。 シェアルは、ひっそりとかくれることもなく、人といっしょに生きている。 シェアルは、なかよくなった人に魔力をシェアする(シェアとは、自分のものをだれかにかしたり、いっしょに使ったりすること)。人と話すことだってできる。 動物のなかにもシェアルはいる。 たとえば猫。 見た目はふつうの猫だけれど、人と話ができるし、魔法を使える(2本足で歩いていたりもする)。 シェアルとなかよくなれば、魔法使いになれる。そんな世界がとおくにあった。 小学4年生のマサは、おさななじみといっしょに自然公園でひらかれるキャンプに参加した。魔法使いになるために。
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