魔法ファンタジー。14歳の伯爵令嬢エミリーは、魔法が苦手な女の子。 病気の兄から託された鍵で、ご先祖が書いた精霊の本を開く。 彼女の先祖は、200年前にこの国を救った、精霊魔法師の夫婦なのだ。 「私も精霊とお友達になりたい!」 エミリーがそう願った時、本に呪文が追加される。 精霊魔法の詠唱呪文は、筆記としては古代魔法言語イングリッシュ(英文)。だがネイティブな発音でないと起動しない。 エミリーは戸惑いながらも本の示す通りに詠唱する。 このお話は、精霊アッシュに導かれ、兄を始め、困っている人々を救い、友だちの絆を結んでいくエミリーとアッシュ、そして魔法師団長のお話。 ビマイフレンッ! Be my friend! 友だちになって! ━━━━━━━━━━━━━━ 私エミリーは、伯爵であるお兄さまの婚約解消を見届けました。 両親が事故で亡くなり、伯爵家を継いだお兄さまは、なぜか急にご病気に。 そんなお兄さまは震える手で、私に小さな鍵を渡します。この鍵は、勇者と呼ばれたご先祖さまがお書きになった、精霊の本の鍵でした。 たくさんのスケッチには、生き生きとした精霊の姿が描かれています。 「すてき! もし精霊に会えたら、友だちになりたいわ!」 ドキドキしながら、書かれた魔法の呪文イングリッシュを読み上げます。 『If I get to talk spirit, I ask to be my friend!』 「イフ・アイ・ゲット・トゥー・トーク・スピリット、アイ・アスク・トゥー・ビー・マイ・フレンド!」 しかし、何も起こりません。 「やっぱり私じゃ力不足なのね……」 その時、開いたページに新しい文章が追加されました。 『イファイ・ゲットターッスピリッ、アイアースッ、トゥビマイフレンッ!』 「……もしかして、これが読み方なの!? 学校で習ったのとぜんぜんちがうわ!」 ともかく、本のアドバイス通りに呪文を唱えます。 まばゆゆい光と魔力の風と共に現れたのは……。 「オレがかっこいいからって、惚れるんじゃねーぞ!」 それが、やんちゃな精霊アッシュとの出会いでした。
読了目安時間:2時間2分
この作品を読む