何の因果か、わたしは突然現代から戦国時代に転生してしまった。 すると身体は女になっているし、狐の尻尾や耳やらが生えていて、どうも狐憑きの少女になってしまっている。 しかも戦の最中。 そして乱取りされる寸前という、絶体絶命の窮地。 それを思わぬ力で乗り越えたわたしは、この戦国の世で生き抜くために一つの決意をする。 歴史を知るという強みに加え、人外としての力。 これを駆使すれば、天下盗りができるのではないか。 天下統一。 そのための地盤として選んだのが、越前国だった。 天正元年。 当時の越前国は、滅亡寸前の朝倉家の治める領国である。 敵は織田信長。 当主である朝倉義景は為すすべなく、史実その通りに滅亡してしまう。 わたしが乗り込んだのは、ちょうどその後のこと。 一向一揆により混乱する越前国へと乗り込んだわたしは、信長によって滅ぼされた義景の娘として朝倉色葉と称し、生き残った朝倉旧臣をまとめ上げて越前国を奪取して、朝倉氏を再興に成功。 すでに強敵となっていた織田家から身をかわしつつ、長篠の戦いを目前に控える武田勝頼と協力し、また北陸支配を巡って上杉謙信と争い、時には謀略を駆使して信長と戦い、天下の覇権を目指す――そんな物語である。 ◆作者より◆ 主に朝倉氏が滅んだ天正元年から始まる、架空戦記です。 時代としては、戦国時代というよりは安土桃山時代。 当時強大な勢力になりつつあった織田信長に対し、一度滅ぼされた朝倉氏を再興させた狐憑きの少女・色葉が立ち向かう、というお話。 戦国の世に伝奇の要素をいれてはいますが、基本的には戦記物です。 それでも伝奇要素もそれなりに強めとなっております。 基本的に序盤は史実に沿った流れとなりますが、作者は歴史の専門家ではないので、登場人物の配置や来歴・その他風習等に誤りがあるかもしれませんが、ご容赦を。 その辺りを優しく指摘下さると、とても喜びますのでよろしくお願いいたします。 ※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
読了目安時間:1時間44分
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