平和な惑星だった『ファートス』に突如として隕石が落ちてきた。 隕石の中から『怪物』と呼ばれる存在が出現したことで、ファートスという惑星は平和から一変……混沌とした惑星となってしまった。 怪物によって動物たちは『魔族』と呼ばれる『化け物』になり、人間たちを襲い始めた………しかし、そんな混沌の世界の中で1人の『勇者』と9人の『賢者』が現れ、怪物を封印し、魔族を世界の端に追いやった。 しかし封印しても怪物からは禍々しい『オーラ』が溢れ、惑星の動植物を魔物化してしまう。9人の賢者は魔物や魔族に対抗するために、『聖書』による人間の国を守る結界と、人々にオーラを力に変える『魔術』を授けるのだった。 それから長い月日が経った今……勇者と賢者の偉業は現在に引き継がれ、12年に1度だけ結界を維持するための『聖書巡礼』という儀式が行われ、その為のパーティーとして勇者1名と賢者9名が選定される試験が12年に1度行われていた。 主人公『フィリップ・アストリー』は勇者を目指していたが、とある事件によって魔術がうまく使えなくなってしまい、目指す事が難しくなってしまった。 幼馴染で貴族の娘である『ナル・オリオール』もまた勇者の資質に恵まれていたため、2人で勇者と賢者になって、聖書巡礼の儀式に参加しようと約束をしていた。 フィリップは賢者となるべく、現在ではあまりいない『テイマー』職を目指し、契約する魔獣を探しに山深くへと入っていく。 山奥で発見した二又の尻尾を持つ銀色の大きな狼の魔獣は如何にも強そうだった。 その魔獣と契約するべく、魔獣に戦いを挑み……契約に成功!!! ………と思いきや………。 「誰がご主人様か……わからせる必要がありそうだな」 「………………へ?」 首輪を付けるはずの魔獣に、まさかのリードを握られるという事態に………。 美女へと姿を変える銀の狼と、賢者を目指すフィリップ青年の主従交代の旅が今、始まった………。 【※あらすじのため、本編とは異なる表現となっている場合があります。】
読了目安時間:3時間14分
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