特殊能力者の存在が当たり前になった2100年。 国立の能力者育成学校『星天学園』の二年生・芹田 流輝(せりだ るき)の能力は、『触れた能力を無効化する』チカラだった。 能力者が集う学園において一見最強に思えるこの能力だが、実際はあっさり攻略され、強力な能力者を前に惨敗続き。 この学園に存在している学年ごとのランクでは91人中89位と、ほぼ最底辺だった。 憧れや使命、目標を掲げて努力を続けるも実らず、一部のクラスメイトからは『無能力者』と笑われる始末。二年生にもなってランクが一つも上がらず迷走していたある日、芹田はある人物と出会った。 一人で数十もの特殊能力を使いこなす謎多き転入生・彩月 夕神(さいづき ゆうか)である。 転入早々、学園中の強者をなぎ倒してすっかり退屈になったと言う彼女は、芹田を自分と同格のライバルに育て上げ、1位の座を賭けて戦って欲しいと言い出したのだ。 「この学園の頂点を、ボクと一緒に目指してみない? きっと『最強』になれるよ、キミは」 学園の頂点に君臨する最強の少女が差し伸べた手を、最底辺で足掻き続ける最弱の少年は握った。 これは、努力と敗北を繰り返す一人の少年が、最強と戦うために最強を目指す物語。 ――そして、やがて衝突する数々の事件と能力社会の闇に巻き込まれた少年少女が、己と向き合うための物語。 光と闇。正義と悪。能力者と無能力者。 この世界に渦巻く無数の色の中で、自分の色を見つけるための物語。 ※小説家になろう様 カクヨム様でも連載しています。
読了目安時間:13時間6分
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