シンディーはコロニーのスラム街で育った娘で体をサイボーグ化している。かつて軍隊にいたのだが、今はメカニックの相棒アルフと宇宙でトレジャーハントに奔走している。 そこで二人は多星籍大企業であるドーラセブンが暗号資産のデータを廃墟コロニーに隠しているという噂を耳にする。トラップを掻い潜り、見事データを手に入れた二人は、それが先の大戦において戦場を一時的にジャックした電子生命体ジャスティンのものであることを知る。 危険を承知でそのジャスティンを自らのボディーに取り込んだシンディーにジャスティンは語りかける。一緒に覇を唱えないか、と。というのも今、K70星雲において次世代コロニー動力源であるテラジウムが密かに開発されており、これを手に入れんと様々な勢力が触手を伸ばしてたのだ。 そのジャスティンの申し出に意気投合したシンディーは、テラジウムの利権に一石投じるべく活動を開始する。 そんなシンディーの前にかつて軍にいたときの上官であるデイモンが現れる。デイモンはシンディーを罠にかけその体内に爆弾を仕込み、自身がテラジウムの利権を確保するための危険な任務を強制的に行わせようとする。だが、その任務の中で出会った博士のカミラに「爆弾を除去してやるから自分と組まないか」と持ちかけられる。カミラは、テラジウムを化石燃料の価値としてしか見ないドーラセブンに嫌気が差していたのだ。 一方、そのドーラセブンでは、放蕩息子の若社長ジョンに代わって実質的に会社を牛耳る役員ゴードンが完全に会社を手中に収めるべく暗躍していた。ゴードンもまたテラジウムを自身の野望に利用しようとしていたのだ。 デイモンとゴードンが互いに艦隊を派遣しあう中、シンディーはカミラとともにテラジウムに宿るかつて宇宙に覇を唱えていた戦闘民族の遺跡にまつわる情報を見つけ、そこに探索に赴く。そこでシンディーは、コンラートの術という戦闘民族の英知を引き継ぐことに成功する。 一方、デイモンは突如、思わぬ人物によって失脚を余儀なくされる。ドーラセブンの放蕩息子のジョンである。実はこのジョンがゴードンから会社を奪い返すべく社外に独自の勢力を持とうとジャスティンをシンディーの元に放たせた張本人だったのだ。 会社をゴードンから奪い返したジョンはシンディーにテラジウムの英知を引き継ぐ事業をシンディーに託すのだった。
読了目安時間:3時間21分
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