蛇と独裁者
ウミパンダ
異世界ファンタジー
連載中
長編
10話
17,842字
2022年11月14日更新
「腐り果てた独裁国家の実情…国を信じてきた軍人がそれを見た時、彼らはどのような行動を取るのだろうか?」 フランベルド王国の都市、ハストロバルグの裕福な家に生まれ、幼年期から秀才と言われてきた男、ローガン=メルサック。生まれながらの銀髪と小顔、優しい性格とは想像もつかないほどの鋭い目つきを持った彼は、その端麗さや頭の良さが原因で教師陣から忌み嫌われていた。彼の趣味は教典や百科事典を読み漁ることで、得意なことは勉強。その蛇に似ているような鋭い目つきと性格から、教師陣に「蛇の末裔のガリ勉」と言われることもあった。 そんな彼の夢は国を守る勇敢な軍人になることだった。フランベルド王国では大学と専門学校を兼用して当たり前であったため、ローガンは今まで以上の勉強をして大学と陸軍士官学校に合格する必要があった。教師陣に蔑まれていたことをバネにして、わずか9歳の頃には国立大学に相当する名門校「ニューヴァード大学院」と、プロの軍人を育成する専門学校である「アンマトリ陸軍高等士官学校」に兼任入学を果たした。入学から2年後の11歳の頃には、訓練の際に偶然居合わせたマーガラン=メルク参謀総長(陸軍のトップの一人)に才を見出され軍人となった。しかし、ローガンが描いていた『勇敢な軍人』とやらは、入隊直後の事件で崩れ去ることとなり、その事件は彼の思考を一気に反政府派に傾けることとなった。 入隊直後にローガンが見たものは、魔女であるという被疑をかけられている(もしくは本当に魔女である)少女や、社会的に地位が低い人々を強制的に逮捕し、家に放火をしている軍人の姿だった。彼が尊敬していたフランベルド王国の実情は、独裁者と恐怖が支配し、差別と魔女狩りと賄賂が横行する地獄の国家だったのだ。ローガンは差別されている人々を助けるため、またその政権を潰すために、自慢の頭脳を使って奔走することとなる…。 ◉第一章(4話)からも閲覧可能です ※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。作品の都合上、過激な表現が含まれていることがあります。この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは一切関係がありません。 この作品には特定の国家、人種、民族、宗教、政治団体、企業、その他あらゆる組織や個人、およびその思想や活動内容を誹謗中傷する意図はありません。
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