故郷を失い、追われる身となった一人の青年。 青年の名はショーン。孤独な旅を続けていた彼はある日、洞穴の前で不思議な少女と出会う。 メラニーと名乗った少女は、自分を『かえして』くれる人を探すという。しかしその日はもう日暮れも近く、ここは人里からも距離がある山の中。彼らは洞穴でともに野営をすることになった。 無邪気な少女と過ごすうちに思い出す過去。 彼は少年時代、女神に選ばれ世界を救う力を持つという腕輪を授かる。直後、その腕輪を求める男に襲撃され、故郷を焼かれた。 村人たちに守られ、見知らぬ土地に飛ばされ……一人逃げ延びた彼は、それから何年もずっと、人との関わりを極力避け、あてもない逃避行を続けてきたのだ。 少女の問いを受けて、彼は自分の心と向き合う。自分はなんのために旅を続けているのか。『選ぶ』とは、『救う』とはなんなのか。 そしてその夜、彼は襲撃を受ける。自分の故郷を焼いたあの男の――。 ショーンの運命やいかに。そしてメラニーの願いは叶うのか。 これは、答えを探し求める物語。 第二章の後半で若干刺激の強い表現を使っているため、念のため『性的表現あり』を設定しています。
読了目安時間:2時間33分
この作品を読む