頭脳、体力、運動神経、この世のほとんどの才能に恵まれない高校生、一条優は異常なほどモテる。だが、本人はまったく自覚していない。 女優の母親譲りの顔だけが唯一の救いだが、女優の母と結婚出来て幸せそうなお父さんにしょっちゅう自分が母親と結婚できたのはレディーファーストを貫いたからだと言われたので、一条優は自分のことよりすべての女性のことを優先させる生き方をしている。 そんなゆうくんはどこに行っても、女子がざわつく。 「ゆうくんって素敵~」 「こんな男子と付き合えたら人生バラ色なんだろうな~」 「ゆうくんに抱かれたい~」 「もう私ゆうくんじゃなかったら一生彼氏作らないわ~」 「あんたのクラスにいるゆうくんって子をお母さんに紹介してくれないかしら~」 だが、女子たちの声はゆうくんに届かない。なぜなら、一条優は天然なだけじゃなく、秘密に付き合っている大切な彼女がいるから。 彼女はゆうくんが女子たちにちやほやされているのを見て面白くないと思っている。いつかゆうくんに見返してやるんだからと心に誓った。 天然でバカだけど異常にモテる男子と彼氏がちやほやされて面白くないと思っている女子の密な戦いがいま始まろうとしている。