「ボーイ・ミーツ・ガール、あるいはボーイ・ミーツ・ボーイ。」 新田侑志は都立高校に通う十五才。帰宅部・無趣味・友達ナシ。退屈な学校生活を切り裂いたのは、鮮やかな打球――。 「野球部入らないか。君は投手なんだろ?」「友達になりたいんだ。野球とは違う文脈でね」 侑志が出逢ったきょうだいは、双子のように似通いつつも、真逆の言葉を投げかける。 揺れながら下した決断は、侑志の人生を別の色に塗り替えた。永遠を思わせる緑へと。 試合どころではない面子と、「野球」という枠の中でかろうじて想いを交わしている。 根性も、優勝もない。スポーツにも満たない、不器用な繋がりの物語。
読了目安時間:2時間28分
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