昔々のそのまた昔、 いや、それはもしかすると遥か彼方の未来のことかもしれない。 ときに世は乱れ、罪に罪を重ねた人類は 神の逆鱗に触れる。 天災、人災、疫病がこの地を覆い、 あわや人類が、滅亡の危機を迎えんとするとき、 神は一人の義人、ノアを選び出し、 箱舟を作ることを命じて、 壮大な人類の救出を計画する。 すなわちこれが、 かの有名な『ノアの箱舟』の物語である。 ただしノアが箱舟に乗って向かった先は……宇宙。 そう……箱舟とは宇宙船だったのである。 深淵に瞬く星々の果てに、 ノアは神に与えられた英知を結集し、 地球と同じ環境を再現したコロニー群を築く。 やがて地球からの移民を受け入れて 『レッドロライン』という国家が形成された。 ときは流れ、今は王歴3553年。 ノア王朝フランツ・レッドロライン王の御代である。 ◇◇◇ 宰相家の息子、ウォルフ・フォン・アルフォードにはぞっこんの婚約者がいる。 しかし将軍家の娘であるユウラは、結構なミリタリーマニアだった。 アルフォード家に行儀見習いに入ったはものの、 並行して騎士を養成するアカデミーに入学することを希望する。 そこで出会った王太子エドガーが、ユウラを見初めてしまったからさあ大変! ユウラを守るため、ウォルフが真の姿を解き放つ。 ウォルフの正体、それは銀河最強の女装皇女(涙)だった。 レッドロラインの無敵の軍神、オリビア第一皇女の実力は伊達じゃない。 「しかし、これでは変態ではないかっ!」 ウォルフの繊細な男心が揺れる。 果たしてワケあり婚約者のウォルフは愛しいユウラと結ばれるのか???
読了目安時間:4時間28分
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