十数年前、外国のとある研究機関に届けられた細胞のサンプル。 それは地球外の知的生命体から贈られた友好の証であり、無から全てを再生する力を持つことから【ゼロ・リジェネレーション細胞】、通称【ZR細胞】と名付けられた。 移植すれば年をとらなくなり、死ぬこともなくなるかもしれないというこの未知の細胞に、人のDNAを掛け合わせるという前代未聞の実験が始まろうとしていた。 一歩間違えば未曾有のバイオハザードを起こし地上は壊滅、もし成功すれば……それは人類に新たな進化と文明の発展をもたらす。 人類の未来がかかっている中、実験が始まった。 結果は大成功で、ZR細胞と融合したDNAからはひとりの赤ん坊が生まれた。 性別は女の子だった。 【アデリーン】と名付けられた女の子は生まれてから1週間、2週間と経つにつれて驚くべき早さで成長。 生まれてから2年ほどで5歳程度まで成長したが、念動力らしき力を用いて突然暴れだし、ラボを破壊してしまう。 力を行使しすぎて疲れ果てたところをなんとか取り押さえられ、話し合った結果、アデリーンを兵器利用しようと考えていた上層部へ、『彼女には教養が必要だ』として異を唱えて機関を辞めた、【三浦ジョージ】博士のもとで引き取られることとなった。 しかしアデリーンが15歳ほどになったある日、ジョージは機関が放った刺客によって裏切り者と見なされ、処刑されてしまう。 彼は最期にこう言い残した。 『私の知り合いに喫茶店を営んでいるマスターがいるから、彼のもとへ行け。そして、息子を……守ってくれ』 それから更に5年が経ち、東京のとあるハイスクールに通う少年・【三浦竜平】とそのガールフレンドの【八神あやめ】をピンチから救った、ひとりの女がいた。 その名も……アデリーン・ホライゾンブルー・クラリティアナ。
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