これは残酷な世界に立ち向かう、ちっぽけな少女の反逆劇。 人類文明の根幹が科学ではなく、魔法である世界。 魔法力の源泉たる元素結晶を求め、狂暴な魔物を狩る収穫者(ハーベスター)はヒーローであり、 誰もが一度は夢見る憧れの職業だ。 ティータニア・ン・サムルニュットも収穫者(ハーベスター)を目指し、 物心ついた時から研鑽を重ねてきた。 しかし、ある出来事で、心に深い傷を負い自分の殻に閉じこもってしまう。 一年後。 十四になった彼女は再び収穫者(ハーベスター)の夢を追い始めるが、一年の空白期間で進学資格を失ったあと。 高学歴が必須とされる収穫者(ハーベスター)には、厳しい状況だった。 かつて神童と称されていた彼女も、その分厚い壁に歯が立たず、書類選考ではじかれ続ける。 奇跡的に採用してくれたのは、国内八十余りある収穫企業でも最低評価の会社だった。 七八四年 四月十一日。 意気揚々と初出社したティータニアを待っていたのは、もぬけの殻となったオフィス。 経営者達は借金まみれとなった会社を彼女に押し付け、逃げ出していたのだ。 会社を放棄して収穫者(ハーベスター)の夢を捨てるか。 莫大な借金と共に会社を引き取って収穫者(ハーベスター)となるか。 残酷な二択に対し、彼女は。 「私は一度全部を捨ててしまいました。たったひとつ拾い直せた夢を、また捨ててしまったら。 私は私じゃなくなっちゃいます」 都合のよい幸運も、恵まれた特殊能力(チート)もない。仲間のひとりすらいない。 壊れかけた夢を懸命に握りしめ、決して挫けない真っ直ぐな誓いだけを武器に、 残酷な世界に立ち向かう、ちっぽけな少女の反逆劇。 「うん。大丈夫ですよ。こういうのって、案外なんとかなるものだと、私は思ってるんです」 ※2021/02/07: 申し訳ありません... 更新原稿が枯渇しました しばらく書きため期間に入ります 2021年6月には再開できると思います 楽しみにして下さっていた方がいたら.. ごめんなさい..少しお時間ください
読了目安時間:1時間54分
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