突如として地球の各地に現れた無数のダンジョンは、人類社会を一変させた。 中に入る者に超人的な力を与える代わりにその身体を蝕む『魔素』。 空想の存在だと思われていた数々のモンスターと、その身体から採れる様々な素材。 そして――この地球を隅々まで調べつくし、もはや宇宙の彼方にしか求めることができないと思われていた『未知』と『冒険』! 閉塞感に包まれていた地球人類は、突如として与えられた数々の謎に熱狂し、こぞってダンジョンを探索し始めた。 それから数十年の時が経ち、ダンジョンはもはや当たり前にあるものとなっていた。 最近の流行は専用のドローンを利用してダンジョンを探索する様子を動画配信するサービス『DTube』である。従来の動画配信サービスでは暴力的だったり悲惨な映像を投稿することはできないが、このサービスは国家公認でダンジョン探索に限り無制限に映像を配信することができる。 国がそんなサービスを許す目的は停滞するダンジョン調査を進めることなのだが、そんなことはお構いなしに人々は探索者達の様子を娯楽として消費するのだった。 ある日、日本のダンジョン省に努める若手職員は間違って調査対象の石棺を開封してしまう。そこから現れたのは古代の神だった。 なお、以上のあらすじを読む必要はありません。
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