小学生の頃から二人でチームを組んで、ダンスを踊ってきた玲と司。 二人は高校三年になり、ダンス部として最後の大会が迫っていた。この大会が終われば二人のダンスチームも解散する。 だからこそこの大会に玲は人一倍に気合が入っていた。最後に最高のダンスを作ろうと。 それは相方の司も同じだと、玲は信じていた。 しかしそうではなかった。 司は大会の日など覚えてすらなく、アイドルのオーディションを受けると。 そのために大会を待たずして、チームを解消する。そう玲に告げてきた。 納得できるはずがない玲は瞬間的に、司に強く当たってしまう。 結局、そのまま二人は自然消滅的に行動を共にすることがなくなってしまう。 今まで一緒にいることが当たり前だった二人にとって、落ち着かない日常が続いていた。 玲は司に対しての想いに気づき、酷く疲弊していた。 そんな時に二人は再会してしまう。 司は「また一緒にダンスをしたい」と。 玲は決断する。この想いを諦めるために再び、チームを組み直すことはしない。 そこで、一区切りをつけるために玲は司に提案する。 「一緒にアイドルオーディションを受ける」 そして玲だけがオーディションに落ちれば、自ずと二人でダンスを続けることは可能になる。 こうすれば自分自身の想いにも諦めがつけられると、考えた。 オーディション当日。 司は完璧にダンスを踊り終える。必ずオーディションに受かると思わせるほどの出来をしていた。 そうして迎えた玲の番。 このまま手を抜いて踊れば、オーディションに落ちることができる。 ──しかし。 「BOYSFAN」 BL原作小説コンテスト・お題フリー
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