世界はゆっくりと死にかけていた。 環境問題、人口問題、食料問題、海の異常。海面上昇は既にその片鱗をみせはじめていて、他に地殻異常。 活火山の噴火率の増大、気候異常。台風や竜巻での死亡者数の増加。 モーニングコールに一発起こる地震 亜熱帯化した地域での干ばつ、熱中症や飢饉での死者増加。 人口の増加。 人生一〇〇年時代とはいつの時代の夢物語か、ふえすぎて土地が足らなくなった人間は金の有無で地下と地上に住み分けて、殊更に富裕層はより安全な地下、より安全な地上にシェルターを作って住んでいる。 一方で、土地のない人間の末路は危険区域とされている、放射能汚染地帯や、ウイルスで人の住めなくなった衛生状態の悪い路地裏の隅やごみ集積地帯、果ては閉鎖区画までもが住処となっていた。 食料不足からくる貧困問題に加え、貧困問題から派生して国際テロ組織の誇大化が危機レベルに瀕していて、近々大きな戦争が始まるのではないかと囁かれている。 小さな環境汚染問題に対する法の厳罰化。ゴミ一つでも路上に放ろうものなら禁固五年。執行猶予保釈なし。 排気ガスを出す機械を使用した場合、その場で射殺もある。 ゴミの分別も間違えると、故意とそうでないとに関わらず、薬を打たれ連れて行かれる。 彼らの末路を知る者はいない。 地震の多発によるメルトダウン。 放射能汚染も深刻化していた。 そんな朽ち果てた世界では今尚誰かが何かと戦っている。 朽ち果てた世界で秘密裏に開催されるデスゲーム。 バトルギークの事は誰もが知っている。 しかしその内容は誰も知らない。 バトルギークで今尚沢山の人が死んでいる。参加費だけで遊んで暮らせる裏バイト。 又の名を救世主ゲームと呼ばれている。 戦闘狂たちの血湧き肉躍る舞踏歌。 バトルギークロンド、始まります。