大学2年生まで男であることに違和感をもちながら暮らしていた扇うずめ(おうぎ うずめ)は 春休みの間に性転換をして3年生からキャンパスが変わる大学生活を満喫しようとしていた。 キャンパスに足を踏み入れた瞬間、チャラそうな見た目の山門美琴(やまと みこと)に声をかけられ、うずめは全力疾走でその場を逃げ出す。 なんとか逃げ込んだ先は男が20人い以上将棋盤に向かっている異様な空間。 そこは将棋部が練習のために借りていた部屋で、うずめはそこで自分のタイプの爽やか眼鏡男子、草薙鳴雅(くさなぎ めいが)を見つける。 そのすぐあとにうずめを追いかけてきた美琴が部屋に乱入。 うずめは美琴に将棋で負けたら一緒にお茶に行こうと提案をし、その場を収めるためにその勝負を受けることになる。 対局が終わった部員たちがちらほらと集まると、その盤上では虐殺が行われていた。 うずめは圧倒的な強さで美琴の王様をあっという間に追い詰め、それを見たプロ棋士である鳴雅に二枚落ちで将棋をすることになりまたもや勝利する。 あまりの強さに驚く将棋部の面々、強さの秘密を鳴雅が訊くとうずめは小さいころから将棋をやるときにマスが光ることがあり、そこに駒を置けば勝てていたと話す。 現実味がない話を部員は信じなかったが、鳴雅はうずめに可能性を感じた。 それは将棋界でまだ誰も実現していない女性がプロ棋士になることである。 そのための一歩として鳴雅はうずめに「女流棋士にならないか?」 この一言がうずめの将来設計を大きく変えることになった。
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