「まさか・・・本当に・・・・」 スクルドは見た。 夕闇空に輝く星に紛れるように銀色の輝きを放つ”それ”は、普通この町の上空を通過するはずのないものだった。 町の遠くで爆発が起こった。 機体は小さな黒点を産み落としていく。 育った町が火の海と化すのには、そう時間はかからなかった。 ————————この物語は、戦争を憎み、戦争を淘汰するために戦争をする、一人の少年の戦記。 【十の切望】は、現実世界の第二次世界大戦時を背景とした、 兵器×異能力×人間ドラマ×史実IF作品です。 ヨーロッパに中央に位置する国、ドイル国に本部を構える異能力組織、”パツィフィスト”。 数奇な運命からパツィフィストに入団した主人公スクルドは、戦争の早期終結のために戦争に加担する。 パツィフィストに所属する能力者達は、一人では抱えきれなかった凄惨で壮絶な過去がある。 戦争を、敵国を、理不尽な仕打ちを、兄弟を、親を。 それぞれが抱える憎しみの感情は、”ユヴェン”という異能力のトリガーとなり、力を授かった。 そんな彼らが心の底から叶えたい切望は、この醜い世界をどう変えていくのか・・・。 150〜200話で完結予定の戦記、【十の切望】の幕が今、開きます。
読了目安時間:2時間0分
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