統一世界観 第五作目 幾度となく滅亡の危機が訪れてもその度にそこに息衝こうとする者達のてによって華々しく不死鳥の様に蘇えり、英華を極める東京から始まる。主人公である東京魔斗(あずまきょう・まと)、それは彼の本名では無く、彼が十二、三歳前後頃に、彼をある場所で保護し、発見者の母親、その保護者となった東郷梅衣(とうごう・めい)によって付けられた名前だった。魔斗は梅衣の預かる神社で彼女の二人の孫娘等、同い年の麗桜(りお)と六歳年下の桃華(とうか)と共に育ってゆく。彼には梅衣に引き取られるまでの記憶は無く、成長して行く中で、通常の人間では持ち合わせぬ特殊な力を開花させて行き、魔斗は新暦が始まる少し以前から徐々に姿を現し始めた生物学分類外生命体、Biological(バイオロジカル) Unclassified(アンクラシィファイド) Creatures(クリーチャーズ)、略してBuncs(バンクス)と密かに呼ばれている物の怪と戦う退魔師(たいまし)の様な生業を独りで人知れず行うようになっていた。魔斗は年を重ねるたびに徐々に無愛想なり、二十歳を迎えた頃には顔色を変える事など殆どなくなっていた。冷酷にも思えるほどに。だがそれにも彼なりの理由があり、この物語は東京魔斗が体内に流れる己の血に含まれる成分を剣や槍といった武器へと普通に転換出来る様になり始めた頃から語られる物である。 強固な信念を持って魔斗は独りバンクスと闘う中、二つの難病を持つ星野女神(ほしのめがみ)と言う少女や人智の外の枠の様な存在であるエイリーと言う女性、魔斗にとっては頭痛の種に近いその二人との出会いは彼のこれからも続けるであろうバンクスや更に未知の存在にどの様な影響を及ぼしてゆくのだろうか?魔斗の義妹達、麗桜や桃華その姉妹との関係は?バンクス・バスターという機密組織の長官であり、星野女神の実兄である龍聖(りゅうせい)の登場や魔斗と旧知の彼の協力者、調川諒(しらかわ・りょう)との係わり合いの謎、更に彼の前に立ちふさがる謎の少年やエイリーの追う存在達。彼はどの様に立ち向って行くのだろうか。どれだけ、協力者が増え様とも彼の心は絶えず独り、大切な物達を守る為にどれほど満身創痍になれども闘い続ける不器用で孤独な男の英雄譚。
読了目安時間:8時間5分
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