厄災の骸Ⅱ
如月千怜
異世界ファンタジー
完結済
短編
1話
2,533字
2022年9月25日更新
ある技術者が革新的な武器を開発した。その名は竜骨弩。クロスボウをベースにナカゲ商会が開発した新型武器。竜の骨で作られた弾丸が無数に入った円形のドラムマガジンを銃身につけられている異様な造形をしたこれは、瞬く間に冒険者の間で大流行した。 それにより人間達は魔物との戦いで圧倒的な優位を得る。 その流行は今まで剣や槍で戦っていた戦士達すらも、この武器の登場を機に一斉に射撃の訓練に打ち込むようになったほどで、それだけ画期的な武器だ。 しかしその力は数多くの身勝手が重なったことによって、人間に牙をむくこととなった。開発元のナカゲ商会代表リンファが何者かに暗殺され、その工房も一緒に破壊されたのだ。 それによって鹵獲された竜骨弩を用いて、侵略の火を広げる魔物達。その魔の手によって人類の進出圏は竜骨弩登場前に戻されつつあった。 だがそれでも、己の年季を信じる熟練戦士は、独自のルートで情報を集め、反攻の足取りを掴もうとしていた。 この物語は、彼の試みがついえる日の話である。 ※本作は厄災の骸という作品の続編ですが、続編元を知っていなくても楽しめます。本作を読んでから続編元を読み返すと、また新しい発見があるかもしれません。
読了目安時間:5分
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