高玉高校に通う高玉真凛(生徒会)は表向きは生徒の鏡である。しかし、その実態は放課後にパチ屋へ赴き、パチスロを打ち込むスロッカスであった。或る日、遂に真凛は台選びをミスって負け続けてしまい、軍資金が底をつく。資金巡りをしたい真凛だったが、彼女の通う高校はバイトを禁止している進学校である。バイトしているところを生徒や教員たちに見つかってしまえば、退学になる恐れがあった。 悩みに悩んだ真凛は、幼馴染の瑞龍寺アスカに頭を下げ、軍資金を借りようとする。話を聞いたアスカは「いいバイトがあるよ!」と、誰にもバレずに稼げる仕事があると提案をした。好条件だと思った真凛は、やる気に満ちる。 放課後、アスカの部屋に行く真凛。すると、アスカはノートパソコンを立ち上げて、あるアプリを開く。それはREALITYというアプリだった。画面には2Dの可愛らしい女の子が……。スタンドマイクを用意した彼女は「今からお仕事だから、見てて」と真凛に仕事内容を見せる。画面端に移るチャットをブリブリぶりっ子ボイスでアスカは読み上げていき、内容に応えていく。実は彼女が真凛に薦めていた仕事というのは、今流行りのVtuberだった! アスカが話す度に、リスナーからギフトが届き、投げ銭が表示される。そこそこ人気のある彼女は、このライブ配信で2万円を稼いだ。真凛は「これだ!」と確信し、Vtuberを始めることを決意する。次の日から、放課後にアスカの自宅へ赴き、Vtuberとしても指導を受けた。 真凛の可愛らしい声や、アスカの紹介もあり、人気が伸びていく。しかし、生粋のスロッカスである真凛のスロット愛が再び目覚め始め、リスナーの理想とかけ離れたVtuberへと狂い始める……。
読了目安時間:2時間15分
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