異世界の日本である、『帝国』(ヤマト)を舞台に、愛する『家族』の厚生、再生、逆転ーー『リバース』ーーの為に奮闘し、傷つき、いつしか自分自身も生まれ変わる。そんな、世話好きで心配性な女の子の物語です。 【起の章】 競馬狂いで、お金とお酒にだらしなくて、毎度ジタバタ騒いでは、事態を悪化させる反面教師。そんな、とうさんが、仕事中、警官の停止指示を無視して逃走。無免許運転及び違法薬物セラフィムの所持等で逮捕・起訴されたとの報せが、K(ケイ)と名乗る弁護士からもたらされる。 確率と偶然を司る神である『天の神様』と繋がることが出来る力・銀(シロガネ)を操る十歳の少女ギンは、以前、赤い六芒星の形をした錠剤を見たことを思い出す。それが、セラフィムだったのだ。 【承の章】 弁護士Kの元を訪れたギンは、入手元の報復を恐れたとうさんが、浅はかな虚偽の証言を繰り返していることを知る。 また同時に、余りにも多くの『偶然』が積み重なる事件の背後に『天の意思』が存在することにギンは気付く。 とうさんに真実を語らせることを決意したギンは、情状証人として証言台の前に立つ。 そして、裁判は前代未聞の展開を見せる。 【転の章】 クリスマス・イヴ。ギンは、宮家に嫁いだ曾祖伯母から呼び出され、帝国政府の中枢が、法廷に降臨した『天の神様』に興味を持ち、その力を国益の為に利用できないか検討を始めたことを知らされる。帝国安全保障局や某国が、ギンの身柄を確保しようと動き出したと言うのだ。 《第一の誘拐》 そんな中、妹・ユキポンの悲痛な『思考』を捉えたギンは、『菫色の石』を手に、最愛の妹を助けるべく帝都の空を飛翔する。 相棒・雪風と合流したギンは、質量とエネルギーを操る力・菫を解き放ち、雪歩を救い出す。 《第二の誘拐》 それから五年後のイヴーー。執行猶予満了を目前に、今度は、とうさんが誘拐される。 政権中枢や某国はギンを恐れ、沈黙していた筈なのに、いったい何者が凶行に及んだのか? 愕然とするギンに対し、犯人は、身の代金としてロト6当たり番号を要求して来る。 【結の章】 完全犯罪を防ぐべく、捜査情報を入手できるよう手を回した弁護士Kが、ギンの左掌を握った途端、記憶を読む力・月白が暴走し、ギンは、一つの真実に辿り着く。 そしてギンは、ある行動に出る。
読了目安時間:3時間29分
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