悪役令嬢エレーナ・シャルロッテ・フォン・リヴレは転生者である。 前世、二十八歳未婚のオタOLであった高柳千鶴はトラックに轢かれて死亡するが、その魂は異世界の公爵令嬢エレーナとして生まれ変わった。やがて高柳千鶴は、この世界が生前熱心にプレイしていた乙女ゲーム《琥珀のエルミタージュ》の世界であると気づく。 中でもエレーナは主人公をいじめるテンプレ的な悪役令嬢、そしてその末に待ち受けるのは断罪からの婚約破棄、追放、死亡のいずれかの破滅エンド――。結末はわかっているのに、エレーナは自分が原作ゲームから少しでも違う行動を取ろうとすると、今度はゲームの進行が不可能となり、《バグ》によって世界そのものが崩壊してしまう事に気づく。 どんなに頑張っても未来は変えられない。 そんな諦念とともに挑んだ魔法学院の入学式会場。 突如としてひとりの男子生徒が豹変し、攻略対象キャラクターを喰い殺した! 「それ」はもう人間ではなかった。 それはまさに、この華やかな乙女ゲームには存在するはずのない怪物、 “肉食系腐男子(ゾンビ)” だった――。 乙女ゲームの世界に何故肉食系腐男子が出る? 攻略対象キャラクターが死んだのに、何故世界は《バグ》で崩壊しない? エレーナが混乱している間にも、学院の令息令嬢たちは次々とゾンビに襲われてゆき――。 転生悪役令嬢が斧でゾンビを打ち殺しながら攻略キャラクターたちと恋愛し、【人生破滅フラグ】と絶対回避不可能の【世界破滅フラグ】に挑んでゆく話。
読了目安時間:32分
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