「僕がなんでこんな田舎に!」 母の死後、後妻とその息子の登場により廃嫡されたレイマンはファルネブルク侯爵家を追い出され、地方の領地ナーゼルへと追いやられた。親や友人達の裏切りにレイマンは心を閉ざしてしまう。 しかし、レイマンを引き取ったナーゼル伯爵の計らいで隣領ヴィーティン子爵の息女エリサベータと引き合わされ、レイマンは美しい彼女に一目惚れし、彼女との交流で閉ざした心を徐々に開くようになっていった。 始めはエリサベータの美しい容姿に魅かれていたレイマンであったが、彼女の賢く篤実な在り方に感化され成長していくうちに、彼女の内面により強い想いを募らせていった。 一方、エリサベータもレイマンと過ごすうちに彼の優しさや心遣いに気がつけば恋心を抱くようになっていた。 お互いに想いを寄せる二人は友人達の後押しもあり、その想いを告げついに婚約した。 婚約者として交流を深める二人は順風満帆であったが、レイマンがそろそろ結婚を申し込もうとした矢先にエリサベータの前に『冒瀆の魔女』が現れた。魔女は『冒瀆の呪い』をエリサベータにかけ、顔を見るに堪えない醜くいものへと変えてしまった。 封建主義の根強い貴族社会で、致命的な汚点を背負ったエリサベータはレイマンの栄達の邪魔になってはと思い悩み婚約を解消し出家することを決意していた。その頃レイマンはエリサベータの呪いを解く術を求めて奔走していたが、その結果は絶望的なものであった。 エリサベータを諦めきれないレイマンは家督を捨てて彼女の元へと向かおうとする。その彼の前に美しき公爵令嬢アグネスが現れた。彼女はエリサベータとの呪いを解く方法を提供する代わりにレイマンとの結婚を要求してきた。その提案にレイマンは全てを捨てて呪いに苦しむエリサベータと共に生きるか、エリサベータの呪いを解く為に彼女を諦めるかの岐路に立たされる。 レイマンが選択するのは地位か愛か、美か醜か…… 果たしてレイマンとエリサベータは想いを遂げることができるのか? これは封建主義の強い大国で強く生きながらも、呪いによって引き裂かれた恋人達の苦悩と葛藤の中で真実の愛を求める美しくも切ないお伽噺的ヒストリカルロマンス。 ※ 蒼玉の瑕疵=そうぎょくのかし ※ 小説家になろう、アルファポリスにも掲載しております。 ※ 現在、ノベルアップには改稿中。
読了目安時間:4時間10分
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