「もう一度、二人で世界のトップに」 そう差し出した手を、僕はとりたくはなかった…。 ーー 小さな頃から「まるで天使の吐息のようだ」ともてはやされた ピアノの天才児だった主人公『樫木響生(かしきひびき)』。 そして同じように「神様からの贈り物だ」と言われていた 『桔梗律稀(ききょうりつき)』。 彼らは日本中が将来を期待する程の才能を持っていた。 しかし、とある事件をきっかけに、 響生は表舞台からも律稀の前からも突然姿を消す事になる。 逃げるように音楽の業界を去り静かに暮らすこと数年。 暮らしに慣れてきた頃、突然響生の元に現れたのは親友で相棒だった律稀だった。 夢と才能と一緒に捨てたはずの元親友は、響生に手を差し伸べてこう言った。 「もう一度、二人で世界のトップに」 律稀は今もピアノ界でトップを走り続けている本物の天才だ。 そんな律稀が頭を下げてこう言うのだ。 「自分に足りないのは情緒だ」 「それを埋められるのはお前しかいない」 「俺の先生になって下さい」 響生は昔を思い出し拒否しようとするも、律稀の真剣な眼差しに射抜かれると 少年時代に熱く燃やしていたピアノへの情熱が静かに冷えた心を暖めてきて…。 これは、ハッキリと点数が出ないピアノの世界で頂点を目指す 元親友で、今も結局唯一無二の二人の物語。 才能に愛されたが故に 沢山のものを失いながら進み続ける二人に待っている結末とは。 トラウマのその先に待っている未来とは。 大切な物を取り戻したい。 大切な物をもう二度と失いたくない。 そんな二人が織りなす物語です。 ーー 以下お題でBLコミック原作小説コンテストに参加させて頂きます。 ・バディ
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